意思決定が遅い組織に共通する構造的な原因
「うちの会社は意思決定が遅い」という悩みを持つ経営者は多い。ただ、その原因を「社員のやる気の問題」と捉えている場合、対策が的外れになります。意思決定の遅さは、多くの場合、構造的な問題です。
承認フローが長すぎる
稟議書が5人のハンコを必要とする組織では、一つの判断に最低5営業日かかります。これは個人の問題ではなく、フローの設計の問題です。
承認フローを短くするには、「この金額以下はこの役職が決める」という権限の明示が必要です。権限が明示されていないと、担当者は安全のために上位者に確認しようとします。これが積み重なって、意思決定が遅くなります。
情報が経営者に届くまでに時間がかかる
現場で問題が起きても、それが経営者に届くまでに複数の中間管理職を経由する場合、情報が整形・縮小されて届きます。経営者が判断するために必要な情報が欠けていることが多い。
週次の直接対話を設けることで、この情報の経路を短くできます。全員と話す必要はなく、各部門の担当者と週30分話すだけで、情報の鮮度が大きく変わります。
「決めていい」という許可が出ていない
権限委譲の話をすると、多くの経営者は「任せている」と言います。ただ、現場の担当者に聞くと「自分で決めていいのかわからない」という答えが返ってくることが多い。
「任せている」と「決めていい」は別のメッセージです。後者を明示するには、「この範囲はあなたが決める」という言葉と、「失敗しても責任は私が取る」という態度の両方が必要です。
意思決定の速度は、個人の能力よりも組織の設計に依存します。現在の承認フローや権限の状況を整理したい場合は、スポット相談から始めることができます。