役割定義が曖昧な組織で起きる5つの問題
「誰がやるか決まっていない仕事」が組織の中に存在するとき、その仕事は最終的に最も責任感の強い人に集まります。これは公平ではなく、その人の負荷が限界を超えたときに組織全体が止まるリスクを生みます。役割定義の曖昧さは、成長期の中小企業に特に多く見られます。
役割定義が曖昧になりやすい背景
創業期は少人数で全員が何でもやる、という体制が機能します。ただ、社員が10名を超えたあたりから、「誰が何を決めるか」を明示しないと、判断が止まる場面が増えてきます。
東北の中小企業では、長年の人間関係や暗黙の了解で業務が回っているケースが多い。これは悪いことではありませんが、新しい社員が入ったときや、担当者が退職したときに一気に問題が表面化します。
よく見られる5つの問題
第一に、同じ判断を複数の人が別々に行い、結果が食い違う。第二に、誰も担当していない業務が発生し、クレームや機会損失につながる。第三に、責任の所在が不明なため、問題が起きたときに原因追及ができない。
第四に、優秀な社員に仕事が集中し、その人が辞めると組織が機能しなくなる。第五に、新入社員が「何をすればいいかわからない」状態になり、定着率が下がる。
役割定義の再設計をどう進めるか
まず、現在の業務を書き出し、それぞれに「名目上の担当者」と「実際に動いている人」を並べます。この二つが一致していない業務が、問題の候補です。
次に、一致していない業務について、「名目上の担当者に移すべきか」「実際に動いている人を正式な担当者にするか」「業務自体を廃止するか」を判断します。この判断は経営者だけでなく、現場の担当者も交えて行うと、実態に即した結論が出やすい。
役割定義の再設計は、一度やれば終わりではありません。組織の規模や事業内容が変わるたびに見直す必要があります。どこから手をつけるべきか迷う場合は、まず現状のヒアリングから始めることをお勧めします。